向田邦子の世界
2011年 03月 29日
向田邦子さんが旅先の台湾で飛行機事故に遭い、不慮の死を遂げて今年で30年になる。
ご存命であれば今年82歳になられるところ。
向田邦子さんと聞いて一番に浮かぶのは「寺内貫太郎一家」。
主演の小林亜星さんより、樹木希林ばあさんが『ジュリィーッ』と絶叫するシーンの方を鮮明に覚えている。
登場人物の面白さはあったものの、やたらとちゃぶ台をひっくり返す小林亜星さんの理不尽なオヤジぶりが好きではなくて、あまり熱心には見なかった。
向田さんについても、このドラマの脚本を書いた人、程度の認識でそれ以上特別に興味を持つことはなかった。
なのに今、向田邦子さんにハマっている。
そのわけは葉月びよりの葉月さんが向田邦子ファンで、しばしば「拝啓 向田邦子様」という書き出しではじまる一人お手紙のような記事をアップされるのを見て、はじめて私の眼中に入ってきたのだった。
たまたま職場近くの図書館で、向田邦子さんに関する本を見つけ、はじめて1冊借りてみた。
著者は編集の仕事をしていた頃の向田邦子さんの同僚で、彼女の没後、彼女を偲んで書いた本だった。
たくさんの写真入りで、そこには若くて美しくて新進気鋭で、アタマ一つ飛び出している向田邦子さんがキラキラしていた。
同時に「彼女(向田さん)には叶わなかったな・・・」という嫉妬交じりの本音もチラリと感じられ、女性でなくては描けないこのあたりの描写に共感したり、「あら、けっこう意地悪じゃないの?」なんてこの著者のことを勘ぐってもみたりした。
でもとにかくその本は私にとっての向田邦子入門書になったことは間違いない。
一人の小説家との出会いも何らかのきっかけがあるものだけれど、最初に作品を読まないで、こんなふうに作家本人のことから知ろうとするのは、私にとってはじめてのことだった。
初対面の相手に会う前に、相手のことを研究しておく、みたいなことは。
そろそろ読んでもいいかなと思い、葉月さんにオススメの作品をアドバイスしてもらって、まず最初に読んだのが「あ・うん」だった。そして私、この一作で完全に参った!
なのであとは残しておきたくて図書館で借りず、文庫本を買っている。こんなふうに↓。
1枚目の写真の向田邦子さん、美人でしょう。涙袋のある知的で色っぽい目は「あ・うん」の蝶、たみとも重なるのです。
「思い出トランプ」は読みたいときにパッと開いたところがその日に引いたカードみたい。まるでその日占いの13枚のカード。
作品をいくつか読みながらもう少し彼女のことが知りたくなり、図書館で借りて来たもう一冊、「向田邦子の青春」は、末の妹である向田和子さんの著書。
作品と同時にこの本を行きつ戻りつしていると、まるでパズルがピタッと嵌まってゆくように、とてもリアリティをもってこの人を身近に感じられる。
それに彼女が記事を書いていたという分厚い「映画ストーリー」は有名だったし、その雄鶏社から出版されていた手芸の本を見ながらレース編みなんかをしてたのだからリアルでも少しかぶっているわけだし。
あふれる感受性の向かう先を模索し、選択し、描いた作品の数々は今もって錆びることを知らず瑞々しく、近づく人を魅了するらしい。
鋭さと潔さと善と葛藤と・・・。 まっしぐらに、急いで駆け抜けていった人だったのだろう。
もし今、彼女が生きていたら、たとえば誰と対談していただろう。 聞きたかったな、そういうの。
もし今、彼女が生きていても、きっと太っちょの82歳ではなく、肌がきれいでスリムな、カッコいいシルバーになっていたんじゃないだろうか。自分に妥協を許さないし、高い美意識の持ち主だと思うから・・・。
というわけでファンになりました。葉月さんのおかげです。作品を紹介してくださってありがとう。
3月27日は私の誕生日でした。
当日は午後から仕事の会議が入っていたし、子供たちもそれぞれに忙しいから一日前倒しで26日に来れる子供を無理やり?呼んで「オメデトウ」を言わせちゃった。
自分でお赤飯を炊いて、ふだんよりちょっぴり華のある料理をテーブルに並べ、おかみさんのお店から届けてもらった「桜日和」を開けてググイッと昼間から飲んじゃった。
昼間のお酒ってなんてなんておいしいんでしょ。なぜなのかしら?
それは、、、ちょっと不埒な感じがするからかしら? その妖しさがいいのかしらね。
だって人生はほんとに色々あるし、それでも前に進まなくちゃいけないでしょ。
だからね、たまにはいいのよ、こんなのも。
でなくちゃ、やってらんねぇ!! あー、モヤットがスッキリ!
ご存命であれば今年82歳になられるところ。
向田邦子さんと聞いて一番に浮かぶのは「寺内貫太郎一家」。
主演の小林亜星さんより、樹木希林ばあさんが『ジュリィーッ』と絶叫するシーンの方を鮮明に覚えている。
登場人物の面白さはあったものの、やたらとちゃぶ台をひっくり返す小林亜星さんの理不尽なオヤジぶりが好きではなくて、あまり熱心には見なかった。
向田さんについても、このドラマの脚本を書いた人、程度の認識でそれ以上特別に興味を持つことはなかった。
なのに今、向田邦子さんにハマっている。
そのわけは葉月びよりの葉月さんが向田邦子ファンで、しばしば「拝啓 向田邦子様」という書き出しではじまる一人お手紙のような記事をアップされるのを見て、はじめて私の眼中に入ってきたのだった。
たまたま職場近くの図書館で、向田邦子さんに関する本を見つけ、はじめて1冊借りてみた。
著者は編集の仕事をしていた頃の向田邦子さんの同僚で、彼女の没後、彼女を偲んで書いた本だった。
たくさんの写真入りで、そこには若くて美しくて新進気鋭で、アタマ一つ飛び出している向田邦子さんがキラキラしていた。
同時に「彼女(向田さん)には叶わなかったな・・・」という嫉妬交じりの本音もチラリと感じられ、女性でなくては描けないこのあたりの描写に共感したり、「あら、けっこう意地悪じゃないの?」なんてこの著者のことを勘ぐってもみたりした。
でもとにかくその本は私にとっての向田邦子入門書になったことは間違いない。
一人の小説家との出会いも何らかのきっかけがあるものだけれど、最初に作品を読まないで、こんなふうに作家本人のことから知ろうとするのは、私にとってはじめてのことだった。
初対面の相手に会う前に、相手のことを研究しておく、みたいなことは。
そろそろ読んでもいいかなと思い、葉月さんにオススメの作品をアドバイスしてもらって、まず最初に読んだのが「あ・うん」だった。そして私、この一作で完全に参った!
なのであとは残しておきたくて図書館で借りず、文庫本を買っている。こんなふうに↓。
1枚目の写真の向田邦子さん、美人でしょう。涙袋のある知的で色っぽい目は「あ・うん」の蝶、たみとも重なるのです。
「思い出トランプ」は読みたいときにパッと開いたところがその日に引いたカードみたい。まるでその日占いの13枚のカード。
作品をいくつか読みながらもう少し彼女のことが知りたくなり、図書館で借りて来たもう一冊、「向田邦子の青春」は、末の妹である向田和子さんの著書。
作品と同時にこの本を行きつ戻りつしていると、まるでパズルがピタッと嵌まってゆくように、とてもリアリティをもってこの人を身近に感じられる。
それに彼女が記事を書いていたという分厚い「映画ストーリー」は有名だったし、その雄鶏社から出版されていた手芸の本を見ながらレース編みなんかをしてたのだからリアルでも少しかぶっているわけだし。
あふれる感受性の向かう先を模索し、選択し、描いた作品の数々は今もって錆びることを知らず瑞々しく、近づく人を魅了するらしい。
鋭さと潔さと善と葛藤と・・・。 まっしぐらに、急いで駆け抜けていった人だったのだろう。
もし今、彼女が生きていたら、たとえば誰と対談していただろう。 聞きたかったな、そういうの。
もし今、彼女が生きていても、きっと太っちょの82歳ではなく、肌がきれいでスリムな、カッコいいシルバーになっていたんじゃないだろうか。自分に妥協を許さないし、高い美意識の持ち主だと思うから・・・。
というわけでファンになりました。葉月さんのおかげです。作品を紹介してくださってありがとう。
3月27日は私の誕生日でした。
当日は午後から仕事の会議が入っていたし、子供たちもそれぞれに忙しいから一日前倒しで26日に来れる子供を無理やり?呼んで「オメデトウ」を言わせちゃった。
自分でお赤飯を炊いて、ふだんよりちょっぴり華のある料理をテーブルに並べ、おかみさんのお店から届けてもらった「桜日和」を開けてググイッと昼間から飲んじゃった。
昼間のお酒ってなんてなんておいしいんでしょ。なぜなのかしら?
それは、、、ちょっと不埒な感じがするからかしら? その妖しさがいいのかしらね。
だって人生はほんとに色々あるし、それでも前に進まなくちゃいけないでしょ。
だからね、たまにはいいのよ、こんなのも。
でなくちゃ、やってらんねぇ!! あー、モヤットがスッキリ!
by mamag_riry
| 2011-03-29 01:04
| 今日の想い